住宅ローン減税と住宅ローンの総支払金利
について考えてみませんか?

1.住宅ローン減税って

最近、夢のマイホームを取得したいと考えている人が頻繁に耳にするのが、「住宅ローン減税」という言葉ではないでしょうか。確定申告をした時、その対象年度の所得税から減税分(一定の計算式による)が戻ってくるらしい!!しかも一番控除額が多いとされるのが今年まで、とか言われて、ちょっとおろおろして、思わず駆け込みたくなっていないでしょうか

しかしあなたにとって、住宅の買い時はいつなのでしょうか?

今の金利、将来の金利、頭金はいくら貯めようか、自分の家族に見合う物件の価額は将来上がるのか下がるのか、考える要素はその家族によって、数え切れないほどあると思います。

今回は「会計事務所の考える住宅の買い時〜考〜」ということで、住宅ローン減税と借入金の額と利子の面で考え、その利子の支払総額と減税される総額とが、どちらがより少ない支出となるか考えてみたいと思います。

2.住宅ローン減税の最大減税額(平成16年現在)で、いくら控除 ?

図1を見てください。平成16年度〜平成20年度までの減税額の最大の推移です。この減税の適用要件は、住宅借入金(取得)等特別控除(所得税)を必ず参照していただくこととして、ここで注意していただきたいのが減税額の最大控除額です。

(図1)

この控除額は、あなたが住宅を購入する際に、自己資金ではまかない切れない、金融機関からの借入れた額の残債が年末にいくらあるかによって、控除額が異なりますので「上記の最高控除額≠自分が受けられる税額控除額」(最高控除額は必ずしも自分が受けられる減税額とは限らない!)であることを考慮に入れておいてください。

つまり簡単な例で示すと、自己資金 + 銀行からの借入金25,000,000円(H16.1に借入)で、平成16年1月に住宅を取得し、居住している人について言えば、2004年12月末がちょうど12回目の返済となり、図2のピンクの12回目が借入金の残高としたら、この残高に対して1%が自分の税額控除となります。(以下の計算は単純比較しておりますので、自分の控除額となるかどうかは、お近くの税務署や当事務所にお問い合わせください。)

※以下の説明は、あなたの年間の所得税額が控除額以上であることが前提となります。

【元利均等20年ローンの場合】
2004年12月末残高 … 24,210,909円 × 1% = 242,100円←控除額

【元利均等30年ローンの場合】
2004年12月末残高 … 24,457,901円 × 1% = 244,500円←控除額

(100円未満の端数は切捨て)

(図2)

(2004年7月12日現在 固定金利 20年4.5%/30年4.65%UFJ銀行)

上述のように、自分の税額控除額が必ずしも最高額まで控除されるわけではなく、住宅借入金の年末残高によって、税額控除額が変わることが見て取れると思います。

つまり、「最高控除額≠自分が受けられる税額控除額」ということがお分かりになっていただいたと思います。

3.2004年内に購入した場合と来年度に購入した場合の総支払金利と税額控除額は?

今度は借入金の返済期間と総支払金利で比較してみましょう。2004年度中に2,500万円を借入して購入した場合と、頭金100万円を更に貯め、来年度に2,400万借入して購入した場合とで比較してみるとどうなるでしょう。以下の説明と図3を参照してみてください。

★ 2004年度中に2,500万借入して購入した場合の税額控除総額は

【元利金等20年ローンの場合】
10年間で … 1,999,900円←控除額(A)

【元利金等30年ローンの場合】
10年間で … 2,249,600円←控除額(B)

 

★ 2005年度中に頭金100万円を貯め、2,400万借入して購入した場合の税額控除総額は

【元利金等20年ローンの場合】
10年間で … 1,767,700円←控除額(C)

【元利金等30年ローンの場合】
10年間で … 1,963,700円←控除額(D)

(図3)

 

 これだけで見ると、確かに今年度中に購入すると控除額は明らかに大きいですよね。黙っていたら、この金額を稼ぐことはできない訳ですので魅力はあります。

しかし、今年度中に買わず、頭金をさらに100万円を貯めると金利はどうなるでしょうか。

図4で示すように頭金が100万増えて借入金額が100万円減るだけで、20年ローンだと518,359円、30年だと822,485円支払う金利総支払額が減ります。いかに借入金額が少ないかがポイントであることがわかると思います。

でも、20年、30年も経つ頃には、貨幣価値も変わり、これが大きな差となるか小さな差となるかは、日本経済の成長にも関わってきますよね。

正に目先の10年間の利益をみるか、20年30年後の利益をみるか思案のしどころだと思います。

(図4)

 

 

4.その他の住宅取得に係る諸費用について

これは余談ですが、その他住宅取得に係る費用として、諸税金/手数料等が以下のようにあります。(これらの諸費用が全部とは限りません。また司法書士に依頼せず、自分で行えば費用がかからず安くすみます)

「住宅を取得するに当りこんなに費用があるなんて…」というため息が聞こえそうですね。

しかしこの辺の見積りを怠ると資金計画が、狂いますのでしっかり頭に入れておいてください。

不動産取得税

新築…購入価格3%(H15.4.1〜H18.3.31まで)

仲介手数料

売買価格×3%+6万

登記手数料

司法書士依頼の場合7〜10万目安

融資手数料

民間銀行ローン 3万程度

住宅金融公庫 新築・・・48,510円

ローン保証料

住宅金融公庫 3,000万円元利金等返済・・・約70万

団体信用生命保険

    〃             …借入金の0.3%

火災保険料

年間数万円

登録免許税

取得後1年内登記すれば特例で安くなる…0.15%

H17.3.31以降に取得した場合は、0.4%

印紙税

契約高に応じる(建築請負額/取得価額)

〃   (金銭消費貸借契約書(ローン契約書))

消費税(5%)

建物部分 / ローン取り扱い手数料 / 他 仲介手数料/司法書士

固定資産税

上限は1.4%

(東京都23区内は新築住宅に係る固定資産税・都市計画税の減免があり、2004年度中で条件に合えば建物に関する税金が3年間“0”円となります。)

http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/info/200403d_01.htm

http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/info/200403d_03.htm(税額計算具体例)

 

さてさて、こんなに費用が係り、借金を抱えるのなら一生賃貸でも…ということも言えますよね。

実際に今、自分の年齢に応じたライフスタイルに合わせ住居の場所、広さ等と選ぶ人が増え、一生賃貸で暮らすと考えている人が多いそうです。それも一考ですね。

結局、どのようなライフスタイルを選ぶか考え、税制に振り回されず、金利の動向をみて、借入時を見るということも大事だと思われます。もし、税制に振り回されそうになった時は、当事務所でお手伝いができるかもしれません。その時は一考していただけたらと思います。

元利均等住宅ローン計算表

P.S.文中にある金利のシミュレーションのExcelの表を添付しますので、自己責任(!?)でおこなってください。

(掲載日:平成16年9月6日)

 

依田(石井)公認会計士税理士事務所
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