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ソフトウェアにおける税務上の取り扱い

皆さんのパソコンには、いくつのソフトウェアがインストールされていますか?
パソコンを買った時に既にインストールされているワープロや表計算ソフト、後から購入してインストールした勘定奉行や弥生会計といった市販のパッケージソフト、会社の業務で使用するために外部業者に依頼して製作したオリジナルの販売管理プログラム等、それぞれどのように税務上は取り扱われるのでしょうか。ソフトウェアを利用する会社側から見た「ソフトウェアの税務上の取り扱い」について確認してみましょう。

表示方法

ソフトウェアを購入・製作した場合には、従来繰延資産とされていましたが、平成12年4月1日以降、無形固定資産として取り扱われることとなりました。一般的には、「無形固定資産」の区分に、「ソフトウェア」という勘定科目で表示することになります。
(法人税法施行令13、財務諸表規則27・28)

償却方法

  • 定額法
  • 残存価額なし

(法人税法施行令48四、耐用年数省令別表第十)

取得価額

(1)購入した場合

購入の対価+購入に要した費用+事業の用に供するために直接要した費用
※この場合、そのソフトウェアの導入にあたって必要とされる設定作業及び自社の使用にあわせるために行う付随的な修正作業等の費用の額は、取得価額に算入します。

(2)自社製作の場合

製作等に要した原材料費・労務費・経費+事業の用に供するために直接要した費用

(3)取得価額に参入しないことができる費用(法人税法基本通達7-3-15の3)
  • 製作計画の変更により、いわゆる仕損じがあったため不要となったことが明らかであるものに係る費用
  • 研究開発費(自社利用のソフトウェアについては、その利用により将来の収益獲得又は費用削減にならないことが明らかであるものに限ります。)
  • 製作等のために要した間接費、付随費用等で、その合計額が少額(その製作原価のおおむね3%以内の金額であるもの)

耐用年数

ソフトウェアの耐用年数としては、税法上下記のとおり3種類に分けて定められています。
(法人税法基本通達7-1-8の2、耐用年数省令別表3・8)

研究開発用 3年
複写して販売するための原本 3年
その他のもの 5年

つまり、通常業務に利用するために取得したソフトウェアであれば、5年で償却するということになります。また、事業年度の途中で取得したものは月数按分しますので、決算の月に取得すると1/60しか経費になりませんので、注意が必要です。

「研究開発用」及び「複写して販売するための原本」としてのソフトウェアの耐用年数は、主にソフトウェア開発会社において使用することになると思われますので、本稿では割愛いたします。

【FAQ】実務上、よくある疑問

(1) 15万円のソフトウェアを購入した場合

ソフトウェアに限った事ではありませんが、固定資産における処理の基準となる金額区分に、以下の3つがあります。その価額は、通常1単位として取引されるその単位ごとで検討します。

ア.10万円未満・・・ 取得時の損金として処理する事が出来ます。
イ.10万円以上−20万円未満・・・ 一括償却資産として3年間均等償却が可能です。
ウ.10万円以上−30万円未満・・・ 少額減価償却資産の即時償却制度により、取得時の損金として処理が可能。

この例では、15万円と言う事ですので、(ア)を除き、(イ)と(ウ)のいずれかを自由に選択することが出来ます。もちろん、通常通り5年で減価償却をすることも出来ます。

(2) ソフトウェアは償却資産の対象になるのか?

毎年1月末までに、固定資産税(償却資産)の申告をしますが、ソフトウェアはこの申告の対象になるのでしょうか?
地方税法において、償却資産は固定資産税の対象となりますが、無形固定資産は償却資産から除くとされており、ソフトウェアは固定資産税(償却資産)がかかりません。(地方税法341四)

(3) パソコン購入時に含まれていたソフトウェア

量販店の売り場に並んでいるパソコンには、既にOS(WindowsXPなど)やオフィス製品(ワードやエクセルなど)インストールされた状態で販売されている事がよくあります。このように出荷時に既にインストールされている事を「プリインストール」と呼びますが、このプリインストールされたソフトウェアは、通常ハードウェアとソフトウェアの価格が分かれておらず、ソフトウェア部分がいくらなのか知る事ができません。また、OSは基本ソフトと呼ばれパソコンが作動するために必要なものとしてハードウェアの一部を構成すると考え、その他のソフトウェアについても、一般的にハードウェアに比べ単価が低く値引き的な性格を有するものが多い事から、全体をハードウェアとして処理する事になります。

なお、見積書や請求書によって、ハードウェア部分とソフトウェア部分が明確に区分できる場合には、それぞれの区分に分けて処理する必要があります。

(4) バージョンアップ費用は?
  • 資本的支出 → 無形固定資産(ソフトウェア)
  • 収益的支出 → 修繕費

資本的支出であれば固定資産として計上し、該当しなければ修繕費となります。つまり、資本的支出に該当するかどうかがポイントとなるわけですが、一般的に新たな機能の追加、機能の向上のためのバージョンアップである場合には資本的支出として取り扱われる事になります。また、その修正がプログラムの機能上の障害を除去するため、現状の効用を維持するために行われる場合、修繕費として取り扱います。

(5) 30台分で60万円のソフトウェア

購入する本数が多い場合にはライセンス契約と言う購入形態を設けて、一本づつ買うより安く購入できるソフトウェアがあります。このような場合、固定資産では「通常1単位として取引される単位」で判定します。従って、30台分でなくて、もちろん1台分で購入してもそのソフトウェアとしての機能は果たしますので、1台分ずつで固定資産への計上の要否を検討する事になります。
30台で60万円と言う事は1台につき2万円と言う事ですので、10万円未満の少額減価償却資産として全額損金に算入して問題ありません。

(6) ソフトウェア購入時の優遇税制は?

平成15年のIT投資促進税制拡充により対象設備にソフトウェアが追加されました。(平成18年3月31日までの時限措置)
詳しくは、「IT投資促進税制が大幅拡充!」をご参照下さい。

(7) カスタマイズ費用の取り扱いは?

最近、パッケージソフトにカスタマイズを施し、自社向けに機能を追加するというソフトウェアの使い方を中小企業でも多く見かけるようになりました。このようなケースにおけるカスタマイズ費用は、どのように取り扱ったらよいのでしょうか。
パッケージソフトと同時に導入した場合には、一体としてソフトウェアの取得価額を構成するものと考え、パッケージソフトの価格+カスタマイズ費用の合計で、取得原価とします。
また、パッケージ導入後、機能の不足が判明し、カスタマイズを別途施した場合には、カスタマイズ費用は資本的支出となり、合理的な耐用年数を見積もり、減価償却費を計算することになります。しかし、実務上カスタマイズによる耐用年数の延長を合理的に見積もることはほぼ不可能ですので、カスタマイズ費用の部分を単独で計上し、ソフトウェアとして5年で償却するというのが現実的な方法であると考えられます。

以上です。何かご不明な点がございましたら、当事務所までお問合せ下さい。

(掲載日:平成17年11月7日)

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